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相続税制改正で注目!生前贈与による相続税対策

平成27年1月1日以降の相続から相続税の基礎控除額が引き下げられました。

 

相続税の基礎控除額(非課税枠) = 3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 )

 

たとえば、夫が亡くなり、妻と子ども2人が法定相続人の場合、基礎控除額は4,800万円です。
相続財産が基礎控除額を超えると、相続税がかかります。

 

この税制改正による影響は大きく、全国的に相続税の課税対象が増えています。
平成28年12月に国税庁が発表した「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、平成27年中に亡くなった人のうちの8.0%が相続税の課税対象者となり、前年の4.4%から大きく増加しました。

 

中でも首都圏での増加率は高く、東京国税庁(管轄:千葉県 東京都 神奈川県 山梨県)の発表によると、相続税の課税対象者は12.7%にものぼり、前年の7.5%から5.2ポイントも上昇しました。
これまでは相続税の課税対象とならなかった一般家庭も、相続税の支払いや申告をしなければならない時代になったと言えます。

 

相続税を軽減するためには、相続財産を減らすことが有効な対策となります。
そこで注目を集めているのが、生前贈与です。

 

生前贈与とは、生きているうちに子や孫などに無償で財産を与えることです。
生前贈与により、相続を迎える前に、父母・祖父母世代が保有している財産を子・孫などの若い世代に移転することができます。

 

贈与には、贈与者(あげる側)と受贈者(もらう側)双方の意思表示が必要です。
贈与者だけの意思表示では贈与にはなりません。

 

生前贈与の種類

生前贈与には、暦年贈与または相続時精算課税贈与のいずれかの方法があります。
さまざまな非課税制度もあり、比較的大きな金額の贈与をおこなうことも可能です。

 

暦年贈与

毎年一定額の贈与をおこなうことを暦年贈与といいます。
1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与額が110万円以下であれば、贈与税は非課税となります。

 

ただし、長年にわたって110万円以下の贈与を受けている場合は、まとまった金額の贈与とみなされ、贈与税がかかることがあります。
また、複数の人から贈与を受けた場合は、贈与額を合算します。
相続開始3年前の贈与は、相続財産に加算されます。

 

相続時精算課税贈与

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母・祖父母から、20歳以上の子・孫に贈与をおこなう場合、2,500万円までは贈与税が非課税になる制度です。
2,500万円を超える分には、一律20%の贈与税がかかります。
親世代から子世代への積極的な財産移転を目的として作られた制度であるため、相続財産を減らすことはできません。

 

贈与税の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の配偶者に、自宅の建物・土地または自宅の取得資金を贈与した場合、2,000万円まで贈与税が非課税になります。

 

住宅取得等資金の贈与税の非課税枠

20歳以上の子・孫が、父母・祖父母などの直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けると、一定金額まで贈与税が非課税になります。
受贈者には所得制限が設けられており、贈与を受けた年の合計所得金額が 2,000 万円以下であることが条件です。

 

教育資金の一括贈与の非課税枠

平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、30歳未満の子・孫などが、父母・祖父母などの直系尊属から教育資金を一括贈与された場合、受贈者一人につき1,500万円(学校等以外に支払う場合は500万円)まで贈与税が非課税になります。
受贈者が30歳までに教育費として使いきれなかった場合には、贈与税がかかります。

 

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税枠

平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に、20歳以上50歳未満の子・孫などが、父母・祖父母などの直系尊属から結婚・子育て資金を一括贈与された場合、受贈者一人につき1,000万円(結婚資金は300万円)まで贈与税が非課税になります。
受贈者が50歳までに結婚・子育て資金として使いきれなかった場合には、贈与税がかかります。
贈与者が死亡した場合には、残額は相続税の課税対象となります。

 

生前贈与のメリット・デメリット

メリット
相続財産を減らすことができる
法定相続人ではない人(孫など)にも財産を渡すことができる
相続発生後の相続人同士の争いを避けることができる
値上がりが見込まれる財産(不動産、株式など)、収益が見込まれる財産(賃貸マンション、配当のある株式など)を、相続税評価額が低いうちに贈与でき、相続財産の増加を防ぐことができる
相続時精算課税制度や教育資金の一括贈与の非課税枠などの利用により、まとまった金額の贈与ができる

 

デメリット
相続税に比べ、贈与税の税率が高い
長年にわたる贈与は連年贈与とみなされ、毎年の贈与額が110万円以下であっても贈与税がかかることがある

 

生前贈与による節税効果

生前贈与の方法のなかで、もっとも一般的なものは暦年贈与です。
110万円以下の贈与であれば贈与税がかからず、申告も不要です。
早いうちから少しずつ多くの人に贈与をおこなうことで、相続財産を減らすことができます。

 

生前贈与(暦年贈与)によって、どれだけの節税効果があるかをシミュレーションしてみましょう。

相続財産 1億円
法定相続人 配偶者 子ども2人
贈与財産 毎年120万円ずつ10年間贈与
受贈者 子ども2人

 

生前贈与をおこなわない場合
相続財産 1億円
相続税の基礎控除額 4,800万円(3,000万円 + (600万円×3))
相続税額 315万円(法定相続分どおりに相続し、配偶者の税額軽減を適用。相続開始3年以内の生前贈与なし)

 

生前贈与をおこなう場合
相続財産 7,600万円
贈与財産 2,400万円
相続税の基礎控除額 4,800万円(3,000万円 + (600万円×3))
相続税額 150万円(法定相続分どおりに相続し、配偶者の税額軽減を適用。相続開始3年以内の生前贈与なし)
贈与税額 20万円
税金合計 170万円(差額145万円)

 

(参考) 相続税の速算表
課税標準 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

(参考) 贈与税の速算表
基礎控除後の課税価格 20歳以上の者が直系尊属から受けた贈与 一般の贈与
税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 10%
200万円超300万円以下 15% 10万円 15% 10万円
300万円超400万円以下 20% 25万円
400万円超600万円以下 20% 30万円 30% 65万円
600万円超1,000万円以下 30% 90万円 40% 125万円
1,000万円超1,500万円以下 40% 190万円 45% 175万円
1,500万円超3,000万円以下 45% 265万円 50% 250万円
3,000万円超4,500万円以下 50% 415万円 55% 400万円
4,500万円超 55% 640万円

 

生前贈与をすべきかどうか、あるいは、どれだけの額の生前贈与をするのがよいかは、財産額や家族構成などによって異なります。
実際にどれだけ税金がかかるかを知りたい場合は、税理士に相談をしてください。

相続税対策には、法律に関する知識だけではなく、不動産や保険など幅広い専門知識が必要です!
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